飲食店開業と消防法
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飲食店の開業には、飲食店営業許可の取得ばかりに目が行きがちですが、忘れてはならないのが「消防署への届け出」です。
というのも、日本の法律には「消防法」というものがあるからです。これは建物を利用する人々の安全を考えて制定されたもので、建物の設備設置や維持に関するルールが定められています。
飲食店では食材の調理で火を使用するため、消防法に則って消火器具の設置や点検を行い、消防署への届け出をする義務があるのです。
飲食店開始には消防署への事前相談が必須
飲食店においても、他の建物と同様に、火災を予防して人命や資産を守るために、消防法で定められている決まりを守らなければいけません。そのために、開業前に届け出を行い、消防設備等を設置する必要があります。
なお、届け出と言っても、お店の工事前に行うもの、開業前に行うものなどがあります。届け出を行わないと罰則があるケースもあるので、開業の計画段階で管轄区の消防署の予防課へ事前相談に行った方が良いでしょう。
届け出が必要な書類
(1)防火対象物使用届出書
この手続きは、建物にどこの誰が入居して、どんなお店をするか、消防法で定められた必要な消防用設備等が設置されているかなどを確認するためのものです。
建物の使用開始7日前までに行わなければなりません。
(2)防火対象物工事等計画届出書
飲食店を建築したり、修繕などの工事を行う場合は、この手続きを着工の7日前までに行います。居抜き物件を利用する場合でも、模様替えや間取りの変更を行う場合には、届け出が必要です。
自身のケースでは届け出が必要かどうか、事前相談の段階で担当者に確認しておくと良いでしょう。
(3)火を使う設備の設置届
火を使用する設備において、火災を引き起こす怖れのあるものについては、あらかじめ所管消防署を通して消防庁に届け出なければなりません。
温風暖房機、厨房設備など、飲食店では該当するものが多いので、事前相談の際にしっかり確認しておきましょう。
(4)防火管理者選任届
従業員を含む収容人員が30人以上の飲食店は、管理権限者(建物の所有者や賃借人など、防火管理の最終責任者)が防火管理者を選任しなくてはなりません。
防火管理者は、たくさんの人々が利用する建物の火災被害を防止するために、消防計画を作成し、防火管理に必要な業務を行います。
防火管理者の資格は、地域の消防署で1日講習を受ければ得ることができます。(防火管理者は1店舗に1人いれば良いとされています。)
違反者にはペナルティーあり
消防署の許可を取っていないと、違反者として最大で300万円以下の罰金、または3年以下の懲役が科せられます。
また、消防法を守っていない状態で火災が発生し、死傷者などが出ると、業務上過失致死障害等に問われる可能性もあります。
このような事態を避けるため、自分のお店に必要な届け出を事前相談によって把握し、期日通りに届け出を行うべきです。
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税理士法人 新日本
代表社員 藤本 尚士
飲食店開業支援のベテラン。
これまで代表取締役経験などを経験しており、経営者の視点にたつことができます。
経験に裏打ちされた税務、実務、税務調査能力に加え、最新の税務知識を駆使した節税や経営アドバイスを兼ね備えるとともに、弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士などの強力なネットワークでワンストップサービスを実現します。
主な資格:
税理士、行政書士、宅建取引士、税務調査士、相続診断士、ファイナンシャルプランナー2級など